2年生エースの超えなければいけない壁~浜松開誠館 #5 後藤音羽選手~【SoftBank ウインターカップ2023 現地レポート⑤】
2023年12月24日
「自分のやるべきことができませんでした。点を取ることもできなかったし、ディフェンスも全然できなくて。チームの足を引っ張ってしまったので申し訳なかったです」
試合後、浜松開誠館(静岡)の2年生エース#5 後藤音羽選手は、このように試合を振り返りました。
「SoftBank ウインターカップ2023 令和5年度 第76回全国高等学校バスケットボール選手権大会(以下、SoftBank ウインターカップ2023)」の女子2回戦、浜松開誠館は前回覇者で今年のインターハイも制している京都精華学園(京都)と対戦しました。
試合は、第1クォーター中盤から京都精華学園の#15 ディマロ ジェシカ選手の高さに手をこまねくと、第1クォーターを終えて17ー26と9点のビハインドを負います。浜松開誠館はキャプテンの#4 井口姫愛選手が3ポイントシュートを粘り強く沈めていきましたが、前半は29ー43と大きく離されてしまいました。
それでも、前半の課題を「修正して臨みました」(三島正敬コーチ)という後半は互角の展開を演じます。しかし、前半で付いた差は大きく、63ー83で涙をのみました。
この試合、浜松開誠館の後藤は16得点3リバウンド。2桁得点ではあるものの、チャンスにシュートを決めきれなかったことを悔やみ、試合後は涙が止まりませんでした。
試合中、ベンチでも自らの不甲斐なさに悔し涙を浮かべた後藤選手。そのような姿に「勝者のメンタリティー。(試合中に)良くない状態でも修正していくことやチームのために何ができるかを考える。点取ることだけではないと思います。チーム鼓舞するような声かけもできるだろうし、ディフェンスもリバウンドもできます。そこが彼女の超えないといけない壁ですね」と、指揮を執る三島コーチは、期待がゆえに課題を語ります。
インサイドから3ポイントシュートと攻撃の幅が広い後藤選手は、U16女子日本代表として今年、「FIBA U16女子アジア選手権大会2023」に出場。主軸選手としてアジアの強豪とたちと戦い、銀メダルを獲得しました。個人でも1試合平均13.8得点という数字を残しています。
京都精華学園戦では納得のいくプレーはできませんでしたが、「外(のシュート)が入らなくても攻め続けることや、その分ディフェンスやリバウンドを頑張ろうと思っていました」と、体を張ったディフェンスを見せた後藤選手。来春になれば最上級生となり、名実ともにチームを引っ張る存在となります。
「今年はずっとSoftBank ウインターカップ2023でベスト4に入ることを目標にやっていましたが負けてしまったので、来年は絶対にベスト4に行きたいと思います」
この悔しさを糧に。浜松開誠館が誇るオールラウンダーは心身ともにたくましくなって、来冬の全国大会に戻ってくることを期待したいです。