SoftBank ウインターカップ2023 第76回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


チケットの購入

REPORT 現地レポート

6年分の思いを込めて〜京都精華学園 #17 藤内翔真 選手〜 【SoftBank ウインターカップ2023 現地レポート④】

2023年12月23日

 「SoftBank ウインターカップ2023 令和5年度 第76回全国高等学校バスケットボール選手権大会(以下、SoftBank ウインターカップ2023)」の男子1回戦で帝京長岡(新潟②)と対戦した初出場の京都精華学園(京都②)は、終始主導権をにぎり92-47で勝利しました。

 喜びをかみ締める選手たちの中で、1人ポーカーフェイスを貫く選手がいます。3年生の #17 藤内翔真選手です。180cmのウィングは、この試合でチーム最多の22得点。鮮やかなジャンパーや巧みなカットインでディフェンス自慢の帝京長岡を翻弄しました。

 「組み合わせが出てからの1ヶ月間、帝京長岡の対策をする中でやはり留学生が攻めてくるので、そこを自由にさせないこととリバウンドを取ることを意識してやってきました。その結果、全体として自分たちのペースで試合を進められて、良い形で勝つことができました」。藤内選手がそう試合を振り返るとおり、開始からいきなり14-0のランを展開するなど、対策してきたことを完遂する見事な勝利でした。

 京都精華学園というと、一番に注目されるのは高校女子部です。藤内選手ら高校男子部にとっても女子部の存在は刺激になっているようで、「 #15ディマロ ジェシカや #4 堀内桜花、 #5 八木悠香は中学から一緒の学校でやってきて、刺激を受ける存在です。女子は日本一にもなっていて、学校全体としても女子は中高、男子も中学が全国に出ている中で自分たちだけ行けていませんでした。なので、全国への思いは強かったです」と藤内選手。

 だからこそ、京都精華学園で全国に出るという目標にこだわったのです。「京都は洛南と東山の2強と言われていましたが、中学3年間をお世話になった精華でそのまま高校に上がって、精華のまま全国に出たいという気持ちでした」。そんな決断から3年間、地道に力をつけてきた成果がようやく今年、実ったのです。

 中学時代は1年時に全国中学校体育大会でベスト4入り、2年時には同大会の優勝も経験していますが、自分たちの代は新型コロナウィルスの影響で全中が中止となり、その年度から新設された「Jr.ウインターカップ2020-21 2020年度 第1回全国U15バスケットボール選手権大会」にも府予選で敗れ出場できませんでした。

 そんな苦い経験をした分、「自分たちの代は中高とも全国に行けていなかったのですが、自分が最後の年に先生方や周りの人たちへの感謝や恩返しの気持ちもあった中で、SoftBank ウインターカップ2023に出られたのでとてもうれしいです」

 次戦は中1日を挟んで八戸学院光星(青森)との対戦となりますが、「明後日からは連戦なので、まずは一戦ずつ先を見ずに自分らのできることをやっていきたいです。今日も帰ってスカウティングをするので、そこでやったことを次の試合でも遂行したいです」と、一歩一歩進んでいく構えです。

 中高6年分の思いを込めた藤内選手の冬は、まだまだ終わりません。

NOW LOADING

TOP