体格もプレースタイルも大きく変化した3年間〜羽黒#10 小川瑛次郎選手〜【SoftBank ウインターカップ2023 現地レポート⑬】
2023年12月26日
「SoftBank ウインターカップ2023 令和5年度 第76回全国高等学校バスケットボール選手権大会(以下、SoftBank ウインターカップ2023)」の男子3回戦。接戦で1、2回戦を勝ち上がってきた羽黒(山形)は、創部初のメインコート(ベスト8)進出を目指し、インターハイ3位の強豪・開志国際(新潟①)に挑みました。
しかし結果は71 – 101の完敗。序盤こそ#23 今井悠太選手の3ポイントシュートなどで互角の展開に持ち込みましたが、激しいディフェンスからブレイクを出した開志国際に流れを奪われ、第2クォーターからは点差を引き離される形となりました。
国際経験も豊富な羽黒のエース、#10 小川瑛次郎選手は40分のフル出場で18得点。3ポイントシュートが21本中4本と、思うように確率が上がりませんでした。それでも「シュートは打たないと入らない。チームメイトからの声かけが頼りになって打ち続けるきっかけになりました」と、最後までシュートを狙い続けた姿勢は、仲間を背負うエースにふさわしいものだったといえるでしょう。
中学時代は主にインサイドでプレーしていた小川選手が、3ポイントシュートを打ち始めたのは中学3年生の頃からです。羽黒に入学すると、1年時には4番ポジションを担いながらアウトサイドでのプレーに挑戦し、2年時にはポイントガードの役目も経験。今年は3ポイントシューターとしてシューティングガードの地位を確立するなど、毎年いろいろなポジションに挑戦しながら3年間でプレーの幅を拡大していきました。
それと同時に、自身の肉体改造にも取り組んできました。「中学3年生のときは結構太っていたのですが、高校に入って、俊敏性などが求められる上のポジションをやる上で食生活から見直して痩せました。でも逆に痩せ過ぎてしまって、代表活動をする上では体の強さがすごく必要だと痛感したので、もっと体作りをしっかりしなきゃと思ってウエイトトレーニングをしてきました」と小川選手。
3年間、プレースタイルも体格も大きく変化していきましたが、その影には相当の努力があったことでしょう。齋藤仁コーチは「どんどん変わっていくので、端から見ている人は楽しいと思いますが、やっている彼は本当に必死でした。可能性がすごくある子だったので、入学当初はできないことも多かった彼に『やれ、やれ』と、どんどん新しいことをやらせてきて。大きな成長が見られた3年間だったと思います」と小川選手を称賛します。
プレー面でもフィジカル面でも大きな成長を遂げ、今や立派なスコアラーに進化した小川選手。集大成の冬を終え、次のステージへと進みます。今後に向けて「自分はシュートが持ち味なので、シュートで日本を代表するようなプレーヤーになりたいです。目標にしている選手は富永啓生選手(ネブラスカ大)。あんなふうに苦しい場面やクラッチタイムでシュートを入れられる選手になって、一緒にプレーしたいですし、超えたいです」と目標を語ってくれました。