大会連覇か、5年ぶりの戴冠か~女子ファイナリスト決定!~【SoftBank ウインターカップ2023 現地レポート⑭】
2023年12月27日
2023年冬の女王への道は、ついに2校に絞られました。
「SoftBank ウインターカップ2023 令和5年度 第76回全国高等学校バスケットボール選手権大会(以下、ウインターカップ2023)」の女子準決勝がおこなわれ、京都精華学園(京都①)と、岐阜女子(岐阜)が明日のファイナル進出を決めました。
先にファイナル進出を決めた京都精華学園ですが、前半は東海大学付属福岡(福岡①)の粘り強いバスケットに苦しんでいました。京都精華学園の山本綱義アシスタントコーチも、これほどまでに硬くなっている選手たちを初めて見たと言います。
「プレッシャーですね。今日のゲームへのプレッシャーというよりも、連覇に対するプレッシャーを、どこかで選手たちが意識しているのでしょう。そのためプレーが硬くなって、自分たちの思うようなプレーができていなかったように思います」
しかし、そのことは山本アシスタントコーチも織り込み済みだったのかもしれません。後半に入ると徐々に京都精華学園が抜け出すペースになっていきます。
「試合前に『相手は今日が5試合目、私たちは4試合目だから、後半、相手は疲労から必ず足が動かなくなる可能性はある。だから前半をこらえなさい』と伝えていました。そのうえでハーフタイムにも『ここからが攻めるチャンスだ』と伝えて、そこからリズムが戻ってきたかなと思います」
一方で岐阜女子は85-62で札幌山の手(北海道)を振り切って、3年連続でのファイナル進出を決めました。
前日、桜花学園(愛知①)に劇的な勝利をあげた岐阜女子ですが、その結果に浮かれることなく、この日は序盤から札幌山の手(北海道①)を圧倒していきます。
「昨日のようなゲームをすると、チームとして気持ちが抜けてしまうことがあるのですが、前回大会の準決勝で札幌山の手に完敗しています。ディフェンスを立て直せなかったからなのですが、その失敗が今日の結果につながったのだと思います」チームを率いる安江満夫コーチはゲームをそう振り返ります。
下級生中心のチームで臨んだ前回大会は68-98で敗退。ディフェンスをチームの根幹に置く岐阜女子としては認めたくない失点だったでしょう。しかし、だからこそ、その悔しさを今日は46失点という結果で晴らしたのです。
「今日のディフェンスについては、まずまず合格点をあげられると思います。準備してきたこと……といっても、大会に入って新たな戦術を取り入れたわけではなく、普段から練習していることを昨夜確認して、それが今日のゲームでしっかり出せてよかったです」
明日はいよいよ女子ファイナルです。3年連続でのファイナル進出、そして大会連覇に挑む京都精華学園の山本アシスタントコーチは、ポイントをこのように言います。
「平常心ですよね。技術や体力というよりも心の在り方がポイントだと思います。リラックスして、ある意味で居直ってでも戦えるかどうかでしょう。連覇など関係ないと本心がそう思ってくれれば、いいゲームになると思います」
4年ぶりのファイナル進出となる岐阜女子ですが、今年度、京都精華学園とはインターハイとU18日清食品リーグ2023で対戦しています。いずれも敗れていますが、どちらもオーバータイムまで持ち込んでいます。
「京都精華学園はそれほど簡単な相手ではありません。それでも、勝ち切ることの難しさは、私も指導者として何度か経験させてもらっています。それらを含めて、子どもたちとナイスゲームがしたいと思います」
連覇か、5年ぶり3回目の優勝か。
女子ファイナルは12月28日(木)12時ティップオフ予定です。